私は、現在オーストラリアに住んでいて、服屋で販売員として働いている。
そこで中国人スタッフ、イーさんに出会った。
最初の印象は、正直怖い人だと思った。
でも、話してみると、イーさんは、とてもお茶目で、かわいらしい人だとわかった。
イーさんに出会って1カ月もしない頃、イーさんは有給を2カ月分まとめて取って中国に帰った。
その前日、イーさんは見るからにうきうきしていて、仕事が終わるとスカートのすそを翻しながら、スキップでもするかのような勢いで帰っていった。
後日、他のスタッフからイーさんの夫の話を聞いた。
彼も中国人で、背が高く、ふっくらした体型。
なんだかとてもかわいらしい人らしい。
イーさんが休暇から戻り、しばらくたったある日、突然イーさんに言われた。
「あなたの夫、とてもキュートね!」
実は私の夫、ドルジさんも同じ職場で働いている。
そして、ドルジさんは童顔に丸いお腹が特徴で、自他ともに認める”かわいい人”なのだ。
「くまさんみたいでしょ~」
と言うと、イーさんはすぐにうなずいた。
「うんうん!」
私は、他のスタッフから聞いたことを、イーさんに言ってみた。
「他のスタッフから聞いたよ。あなたの夫もかわいいって!くまさんみたいなんでしょ?」
イーさんは笑いながら、こう返した。
「うん!彼もかわいいよ!でもね、彼はくまさんじゃなくて…、パンダさんだね!」
私たち爆笑。
もちろん、仕事をしていると大変なこともある。
でも、こうして誰かと笑い合える瞬間があるというのは、本当に幸せなことだと思う。
それにしても、イーさんの返しは絶妙だったなあ。
座布団5枚はあげておかないと。